Webマーケティングに興味がある皆さんは、そのやりがいや魅力を知り、自分に向いているか確かめたいと思いませんか?
本記事では、営業からマーケティングへ転身し、営業時代は仕事をいやいや行っていましたが、今では充実感を持って働く筆者が、Webマーケティングのリアルなやりがいについて解説します。
Webマーケティングは、データを細かく分析しながら進めるため、結果がすぐに反映されやすく、努力が成果として目に見える仕事です。
この記事を通じて、Webマーケティングが持つ魅力や、成果を実感できることがどのように「やりがい」へと繋がるのかを詳しく掘り下げていきます。
Webマーケティングとは何か
そもそも、Webマーケティングとは何かを確認しておきましょう。
Webマーケティングは、インターネットを活用して商材やサービスを効果的にプロモーションする手法です。
その中心には、データ分析やオンラインでの消費者行動の観察、具体的な市場戦略の立案があります。
Webマーケティングの具体的な仕事内容
Webマーケティングの仕事内容は幅広いですが、主な業務としては次の三つになります。
- SEO対策
- SNSの運用
- 広告運用
例えば、SEO対策により自社サイトが検索エンジンで上位に表示されることで、アクセス数が増え、企業のことを知らない人を惹きつける効果が期待できます。
さらに、これらの施策は個々に行うのではなく、全体のマーケティング戦略と連携させ、一貫性を持たせることが重要です。
SEO対策で、上位表示できないキーワードで、広告出稿したり、SNS固有のお客に対してアピールして、そのお客様をSEOサイトに誘導したりなどします。
Webマーケティングの業務は、企業がオンラインでの認知度を高め、事業目標を達成するために欠かせない重要な仕事となります。
必要なスキルと知識
Webマーケティングの分野では、多岐にわたるスキルと知識が求められます。
本記事では、私が特に必要だと思う、次の3つのスキルについて、取り上げます。
- データ分析力+ITスキル
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
これらのスキルは、Webマーケティングのプロジェクト進行や、効果的なWebマーケティング施策の立案・実行において欠かせません。
データ分析とITスキル
大手マーケティングメディア「ferret」のアンケートによると、433名中約80%がITスキルの重要性を感じていると回答し、その重要性が強調されます。
現代のマーケティングでは、大量のデータを収集・分析し、それをもとに意思決定を行うことが求められることが理由になります。
👉 参考URL:ferretアンケート結果
例えば、SEOではGoogleアナリティクスを使い、訪問者が問い合わせに至りやすいページなのか、他ページへ誘導しやすいのかを分析。その結果をもとに、「問い合わせボタンの設置」や「コンテンツの追加」といった施策を使い分けます。
さらに、これらの作業をスムーズかつ正確に行えるようにするためには、プログラミングなどのITスキルが重要になります。
👉マーケティングでプログラミング活用する方法を 詳しくは次の記事で解説しています。併せてご覧ください。
未経験からマーケターとしてプログラミングを学ぶべき理由
コミュニケーション能力とチームワーク
Webマーケティングでは、プロジェクトを進める際に、多様なメンバーと密接に連携する必要があるため、これらのスキルが重要になります。
この重要性は、私だけでなく、多くの有名企業で活躍するマーケターたちも同様に感じています。
リクルートやハーモスなどの企業で活躍するマーケターも、コミュニケーション能力を必要不可欠なスキルとして挙げています。
👉 参考URL:マーケティングキャリアによるインタビュー記事
例えば、SEO担当者とコンテンツ制作チームが連携する場合、SEO担当者が考えた戦略も、制作チームに正確に意図が伝わらなければ、成果につながりません。
このように、プロジェクトの成果を最大化し、作業効率を高めるには、コミュニケーション能力は重要なスキルとなります。
👉 他にも必要なシーンについては、以下の記事で詳しく解説しています。
未経験からマーケティングへ!経験を活かして差をつける自己PR術
論理的思考力
論理的思考力は、複雑な問題を分解し、それぞれの要素を分析して具体的な行動を明確にする力です。
データに基づき効果的な戦略を立てるために必要となります。
論理的思考力については、「Web担当者フォーラム」で㈱メンバーズの役員が次のように語っています。
必要とされる視点→→→
- 何が起きたか
- なぜ起きたか
- では、どう対応するか
👉 参考URL:㈱メンバーズ 臼井氏インタビュー
たとえば、広告キャンペーンの効果を評価する際、以下のように考えることができます。
- 何が起きたか:どのキーワードでの施策が効果的だったのか
- なぜ起きたのか:季節要因によるものか、ニュースやSNSで話題になったことが影響しているのか
- では、どう対応するか:同様のキャンペーンを来年も継続するのか、一過性のブームである場合は短期的に予算を増やして集中的に運用するのかを判断
このようなことが頻発するため、論理的思考力は、Webマーケティングを行う上で不可欠なスキルです。
以上がwebマーケティングの業務と必要なスキルになります。
次に、本題であるやりがいについて、見ていきます。
Webマーケティングのやりがい8選
Webマーケティングは、具体的な成果が数値として可視化される点や、最新のトレンドや技術を学び続けられる環境などがその魅力です。
この章では、私の経験則やさまざまなアンケート結果などから、マーケティングのやりがいを8つ取り上げて、その詳細を見ていきます。
①日々の成果が見えやすい
Webマーケティングでは、アクセス数やコンバージョン率といった具体的な数値データをリアルタイムで追跡できます。
このため、自分が行ったことのポジティブな変化をすぐに実感できるので、やりがいに繋がりやすいです。
例えば、SEOにおいては、以下のような事例があります。
- 新規記事をアップした際にGoogleで評価され、検索結果の上位に表示されることでアクセスが増加
- 既存記事をリライトして順位を改善し、アクセス数が向上
一方で、営業職では、次のような状況のため、達成感を得られる機会は限られます。
成約までに数か月のリードタイムがかかり、良い商談があったとしても顧客が直接フィードバックをくれるわけではありません。
このように営業職と比較しても、Webマーケティングは自分の取り組みがダイレクトに結果に反映されるため、日々やりがいを感じられるのです。
②移り変わりが早いため飽きないし、チャンスが多い
マーケティングメディア「マケフリ」がまとめたフィリップ・コトラーが提唱するマーケティングの変遷は、Webマーケティング業界の技術革新やトレンドの変化が激しいことを示唆しています。
👉 参考URL:マケフリ:マーケティングの変遷
特に、2000年から2010年にかけては、SNSの台頭により消費者が自ら情報を発信できるようになり、マーケティングの形が大きく変化しました。
10年単位で手法やトレンドが大きく変化する職種は、他にあまり例がありません。
例えば営業職では、電話や訪問、交渉といった手法が基本であり、大きく変わることは少ないのが現状です。
この様な変化の激しいWebマーケティングの環境は、新しい知識やスキルを迅速に吸収する機会が豊富であるため、飽きることがなく、更に、新規参入者にもチャンスを与えます。
飽きることがなく、挑戦の場が多いことは、Webマーケティングのやりがいの一つとなります。
③副業など多様な働き方とキャリアの広がり
Webマーケティングの専門知識を身につけることで、副業やリモートワークなど、多様な働き方を選択できるようになります。
Webマーケティングがもたらすキャリアの可能性は、自分のスキルを活かしながら、より自由で広範なキャリアパスを求める人にとって非常に魅力的で、大きなやりがいとなります。
実際に、ランサーズでマーケティング関連の個人案件を検索すると、4,000件近くの案件が見つかります。
一方、テレアポ代行などの営業関連の案件は5件程度と、明らかに少ない結果となっています。
私自身、この点に強く魅力を感じており、日々の仕事が自分の人生の大きな目標につながっていると実感し、やりがいを得ています。
④経営に直結する責任ある仕事
Webマーケティングは、企業の経営戦略に直接影響を与える重要な役割を担う職種となりうります。
マーケティングは、プロダクトの設計や企業の多くの部門に関わる「企業の心臓部」といえるからです。
マーケターを代表する「刀」の森岡毅氏は、マーケティングの仕事について、以下の様に述べて、経営戦略への関与を示唆しています。
どこで戦うかを見極め、そこに企業の全勢力を集中させることがマーケティングの仕事だ
👉 参考書籍:USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
私自身、フレームワークを用いて、会社に中期経営戦略へのアイディアを提言し、それが採用された時には大きなやりがいとなりました。
Webマーケターは、こうした経営資源を効果的に活用する役割を担い、成果を生み出すことはWebマーケターにとって大きなやりがいにつながります。
⑤1対無限大の規模で成果を生み出せる
Webマーケティングの大きな魅力の一つは、1つの施策で非常に広範囲に影響を与えられる点です。
たとえば、キャンペーンやSNSでのプロモーションを行えば、数多くの消費者に一度にメッセージを届けることができます。
このスケールの広がりが、Webマーケティングの大きなやりがいにつながります。
私自身、キャンペーンを企画し、その結果生まれた売上が、営業マンが1件ずつ獲得する売上の数倍に達した経験があります。
大きな売上を生むWebマーケティングの役割は、営業以上に広範な影響力を持ちます。
こうした大規模な成果を振り返るたびに、Webマーケティングのやりがいを強く感じます。
⑥色々なことに挑戦できる
Webマーケティング業務は、その多岐にわたる性質から、さまざまな分野やプロジェクトに挑戦できるのが大きなやりがいです。
私以外にも、マーケティングメディア「マーケティングキャリア」が実施したインタビューで、ハーモスで活躍するマーケターが同様のことを語っています。
業務範囲を限定せずに様々なチャレンジができることが醍醐味だと思います。弊社のマーケティング活動に限って言うと、制約はほとんどありません。
具体的には、施策の企画だけでなく、ライティングやデザインなど幅広い業務に取り組んでいるそうです。
👉 参考URL:マーケティングキャリア インタビュー記事
私自身も、セミナー資料のデザインや記事ライティングを手掛けるほか、サイトリニューアル時にはCSSコーディングを行ったり、データ取得のためにBI設計を行ったりと、多様な業務を経験しています。
飽き性な私にとって、こうした幅広い業務に関われるWebマーケティングは、大きなやりがいを感じる仕事です。
一方、営業時代は顧客が変わるだけで、同じサービスを繰り返し提案する日々が続き、刺激を感じにくいことが多くありました。
⑦仮説検証を楽しむ働き方
Webマーケティングにおいて、仮説を立てることは不可欠なスキルです。
この思考は次の理由から、大きなやりがいにつながります。
- 仮説が当たったときの喜びと達成感
- 過去に私は、サイトの構造に課題があると仮定し、リニューアルを実施しました。
- その結果、資料ダウンロード件数が大幅に増加し、大きなやりがいを感じた経験があります。
- 効率的な施策展開
- 仮説立てした場合、無駄な作業が減り、時間の削減にもつながります。
- この時間効率を高められた時にはやりがいを感じられます。
- 自分の成長
- 仮説がない場合は指示された業務をこなすだけで終わりますが、仮説を持つことで「自分の考えが正しいかどうか」を検証し続けることができます。
- たとえ失敗しても修正しやすく、知識や経験が蓄積されるため、成長スピードが加速し、やりがいに繋がります。
- 市場のニーズとの最適化
- Webマーケティングでは失敗もありますが、仮説があることでPDCAサイクルがスムーズに回り、市場のニーズに合った最適な施策を模索できるのです。
- このプロセスを繰り返すことで、正解を探る過程自体が楽しくなり、やりがいを感じられるようになります。
これらの4つの理由こそが、Webマーケティングにおけるやりがいといえるでしょう。
⑧地道な努力が報われる分野
Webマーケティングは、長期的な視点でコツコツと取り組むことが成功のカギとなる分野です。
このプロセスを積み重ねることで、着実にポジティブな結果が得られる可能性が高まる点がやりがいに繋がります。
たとえば、SEOにおいては記事のリライトや内部リンクの設置など、地道な作業を繰り返すことで、少しずつ成果が現れます。
このように、努力がしっかりと評価されるWebマーケティングは、多くの人にとってやりがいを感じられる魅力的な仕事環境を提供しています。
以上の8つがWebマーケティングのやりがいとなります。
一方で、大変な部分もあり、その点もお伝えすることで、マイナス面を踏まえたうえで、自分との相性を見極めてもらえればと思います。
Webマーケティングの大変なところ
Webマーケティングには多くのやりがいがありますが、そのやりがいが逆に、大変になる場合もあります。
本セクションでは、Webマーケティングに取り組む際に直面する主な課題を詳しく解説します。
成果を上げるまでの時間と労力
Webマーケティングは、着実に成果が出ていれば、救われますが、何をしても全くポジティブに働かないときは、苦労を感じます。
特にSEOでは、施策が評価されるまでに時間がかかることは広く知られていて、成果が出るまでは、苦労が伴います。
実際の調査では「成果を感じるまで3か月から1年かかった」というマーケターが多いことが明らかになっています。
👉 参考URL:Web担当者フォーラム 調査結果
さらに、コンテンツの質や量、競合の状況などによっては思うような結果が得られないこともあり、行った施策がまったく無駄になることもやぶさかではありません。
即効があると知られている、広告運用も同様で、即座に成果が出るとは限りません。
競合が多く存在する中で、アカウントのデータ蓄積や広告スコア(キーワードとランディングページの整合性など)が重要視されます。
広告で予算をかけたとしても、細かな調整と分析を繰り返す必要があるのです。
このように、成果を上げる迄には、忍耐強さと我慢強さも必要であり、これが大変でもあります。
変化の速い環境への対応
Webマーケティングは、変化が速いことが、やりがいでもあり大変でもあります。
検索エンジンのアルゴリズム更新、SNSプラットフォームの機能変更、新しいトレンドの登場など、常に対応を求められます。
たとえば、Googleのアルゴリズムアップデートによりアクセスが激減した場合に、アルゴリズム変更がどんな内容であったのか、そして、何が評価されるのかを情報キャッチして、サイトに反映させる必要があります。
この様に、短期間に大きな環境変化が起こったりするため、それを乗り越えたあとは達成感を感じられますが、最中は常に安心できず、環境変化に対応することが大変であります。
以上の二点がWebマーケティングの大変な部分であります。
これらのやりがいや、大変さを踏まえて、実際にどんな人が向いているかを具体的にお伝えしていきます。
Webマーケティングはどんな人に向いているか
Webマーケティングに向いているのは、求められるスキルや課題を苦にせず、楽しめる人です。
「好きこそものの上手なれ」ということわざが示すように、好きであれば時間を忘れて努力でき、ストレスなく上達していきます。
そのため、Webマーケティングの業務を楽しめる人が、この分野で活躍できるでしょう。
数字や分析が好きな人
Webマーケティングでは、数字の集計やデータ分析が必須レベルで求められます。
そのため、これを苦にせず、楽しめる人が向いていると言えます。
実際に、HubSpotの「2023年のマーケティング組織が抱える課題」では、「効果測定がきちんと行えていない」と回答する企業が多く見られて、データ分析が課題として挙げられて、より多くの企業から求められているスキルであることが分かります。
👉 参考URL:HubSpot Japan 調査データ
実際に、この課題は私自身の企業でもよく見られます。
営業の場合は業務が直接売上につながるため価値を示しやすいですが、マーケティングはそうではありません。
そのため、施策ごとに細かくデータを取り、「本当に意味があるのか」「価値があるのか」を証明し続ける必要があります。
以上のような理由や事例から、データを整理し、分析することが好きな人は、Webマーケティングに適しています。
柔軟な思考と新しいことを楽しめる人
Webマーケティングの変化を前向きに捉え、柔軟に対応できる人がWebマーケティングに向いています。
HubSpotの調査によると、1年前と比較して多くのマーケターが市場の変化を実感しており、そのスピードの速さが浮き彫りになっています。
- 「価格への反応が敏感になった」と感じるマーケターは40%近くにのぼります。
- 2024年の市場は戦争や経済の影響で円安や物価高が続き、消費者の価格比較が活発になった影響でしょう。
- インフルエンサーの影響が強まるため、「見込み客がインフルエンサーの発信に影響を受ける」と回答した人も20%いました。
👉 参考URL:HubSpot Japan 調査データ
消費者の意思決定や市場のトレンドは1年で大きく変化します。
そのため、こうした変化をいち早くキャッチし、柔軟に施策を調整する力が求められます。
新しいトレンドを楽しみ、戦略を考えることが好きな人は、Webマーケティングで活躍できるでしょう。
以上が、Webマーケティングのやりがい、大変さを踏まえた「Webマーケティングに向いている人」になります。
最後に、私個人がやりがいを感じた体験談をお伝えさせていただくので、参考にしてください。
Webマーケティングで楽しい・面白いと感じた瞬間(体験談)
私は「副業で収入を得て、本業では社内の派閥や不要なことに巻き込まれず、自分のやりたいことをやる」という人生の目標を掲げています。
この目標を達成するために、副業で稼げるスキルとしてプログラミングやマーケティングに取り組むことを決めました。
営業職だった頃は、この目標に直接つながる道が見えませんでしたが、マーケティングに転身したことで、すべての業務が自分の目標や夢に直結するようになりました。
その結果、どんな業務もマーケティングの勉強につながり、楽しさを感じられるようになったのです。
特に、自分が企画した施策で集客数やCV数が大幅に増加した時は、大変だった過程も忘れるほどの楽しさを感じました。
サイトリニューアルやセミナーの実施がその代表例です。
サイトリニューアルは半年以上にわたる長期プロジェクトで、社内調整や仮説の立案、業者選定など、プレッシャーのかかる作業が続きました。
しかし、大きな予算が動く中で成功を収めたことが、非常に面白く、やりがいを感じた瞬間です。
一方で、セミナーは短期間での施策でしたが、トレンドのニーズと合致し、過去最高の集客を記録。
バズを経験したことで、楽しさを強く実感しました。
どちらの施策も仮説は立てていましたが、実際に成功するかは未知数でした。
やはり、成果が数字として現れた瞬間こそが、Webマーケティングの楽しさだと感じます。
未経験からWebマーケティングになるためには、勉強⇛腕試しの転職活動⇛上手くいかなかったら、仕切り直して不足部分を勉強。
これを繰り返して成功まで繰り返していくしかないです。