社内での気まずいすれ違い、飲み会での無言の時間…年齢の離れた上司との緊張した空気…
この様なコミュニケーションの難しさをあなたも経験したこと無いでしょうか。
これらの問題は、実は雑談力の向上で解決できるのです。
コロナ禍でも13万部売れた名著「雑談の一流二流三流」から雑談力向上の鍵をお伝えします。
この記事では、著書の要約を通じて、どのようにして雑談力を磨き、日常生活や職場でのコミュニケーションを円滑にするかを纏めています。
『雑談の一流二流三流』- 本の概要
著者 | 桐生 稔(きりゅう みのる) |
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価格 | 1,650円 |
出版社 | 明日香出版 |
出版日 | 2020年3月5日 |
著者経歴
桐生さんは、自身の苦労を乗り越えて雑談の達人になりました。
幼い頃から体が弱く、人見知りで営業成績も振るわなかった彼ですが、左遷を契機に、会話力を磨き始めます。
その結果、全国売上達成率ナンバーワンに輝きました。
彼の人生は、雑談の力がいかに人生を変えることができるかの生きた証です。
著書の内容
桐生さんのストーリーは、どんな背景を持つ人もコミュニケーションのスキルを身につけることで、自己改革が可能であることを示しています。
この本では、雑談のやり方を含むケーススタディ45個が掲載されています。
更に、雑談のレベルを分類し、それぞれがいかに異なる効果を生むかを明らかにしています。
本記事では、その中から雑談の進め方を4stepとして纏めて、更に厳選の2つのケーススタディを紹介します。
まずは、雑談の進め方4stepから見ていきます。
雑談の4ステップ:円滑なコミュニケーションの秘訣
雑談には成功への流れがあります。
ここでは、その4つのステップを紹介します。
それぞれの詳細については、次の章で見ていきますので、流れだけを頭に入れておいてください。
step.1
始める:
笑顔で相手に近づき、ファーストコンタクトを取る。
例えば、「今日はいい天気ですね!」などの軽い挨拶から始めます。※挨拶だけでも、一流の極意があり、その点も詳細を説明していきます。
step.2
広げる:
相手に関する質問をしたり、何かを褒めることで会話を広げます。
例えば、「そのバッグ、素敵ですね!どこで購入されたんですか?」などの質問です。※質問についても、極意があり、その点も詳細を説明していきます。
step.3
聞く:
相手の話を積極的に聞き、感情を表す言葉や感嘆詞を交えて反応します。
これにより、相手は話が聞かれていると感じます。※相手が話を聞いていると感じてもらう事が信頼関係を築く重要なポイントになります。
step.4
好印象を残す:
会話の別れ際に、記憶に残ったエピソードを振り返ることで、良い印象を残します。
例えば、「今日のお話、とても楽しかったです!」などと伝えます。※この点も非常に重要な手法がありますので、その点を説明していきます。
これらのステップは、雑談をスムーズに進め、相手と良好な関係を築くための基本的なガイドラインです。
ステップ別実践ガイド:一流の雑談
ここでは、それぞれのステップを深く掘り下げ、一流の雑談がどのように異なるのかを見ていきます。
明確なガイドラインと具体的な例を通じて、雑談のスキルを向上させましょう。
効果的な会話の開始法
会話を始める方法は、雑談の質を大きく左右します。
- 3流の開始法:
最も基本的なレベルでは、単に「お疲れ様です」と挨拶するだけです。- これは一般的であり、特に印象に残りません。
- 2流の開始法:
一歩進んで、「お疲れ様です、今日は寒いですね」等ワンワード加えます。- これにより、少し会話が広がる余地が生まれますが、続かないケースが良くあります。
- 1流の開始法:
さらに進んで、「お疲れ様です、今日は寒いですね。体調は大丈夫ですか?」とツーワード追加して、相手の気遣いへの質問を示します。- これは相手への関心を表し、より深い会話につながる可能性を高めます。
このように、会話の開始法に少しの工夫を加えるだけで、相手との関係性や会話の流れが大きく変わります。
次に、会話を広げる方法について詳しく見ていきましょう。
会話を自然に広げる方法
雑談中に会話を自然に広げる方法は、雑談を適切な長さにコントロールする事ができます。
- 3流の対応:
話し上手を目指し、しばしば話題探しに四苦八苦する。 - 2流の対応:
聞き上手を目指し、相手の話に耳を傾けるが、しばしば受動的な態度に留まる。 - 1流の対応:
話させ上手を目指し、接続詞を使い相手が話したくなるような環境を作る。- これは、人が話している時に最も心地よいと感じるという心理を利用します。
たとえば、テニスを10年も続けている人との会話では、
「テニスを10年もやられているのですか?」と質問を投げかけた後に、
「ということは、学生時代からずっとテニスをされているのですか?そうすると、健康にも気を使っているのですね?」と接続詞を使って自然に話題を広げます。
このように、会話の流れをスムーズにすることで、相手もリラックスし、よりオープンな会話が可能になります。
接続詞「ということは」「そうすると」「ちなみに」といった「魔法の言葉」を使うことで、会話をスムーズに展開させることができます。
話題が尽きた時の対処法
雑談の中で話題が尽きた時の自然な対応方法を学ぶ事で、沈黙を避けることができます。
- 3流の対応:
一般的な話題を探すためにあたふたします。- この方法は、不自然さを生むことがあります。
- 2流の対応:
「木戸に立てかけし衣食住」のフレームワークを使って、季節、道楽、ニュース、旅、天気、家族、健康、仕事、衣料、食事、住居などから話題を選びます。- この方法は、幅広い話題を提供し、会話を継続させるのに役立ちます。
- 1流の対応:
最も効果的な方法として、食べること、動くこと、働くこと、お金を使うこと、寝ることといった、誰もが共感しやすい普遍的な話題を選びます。- これらのテーマは、どんな状況でも適応しやすく、自然な会話の流れを作り出します。
たとえば、同じメンバーとの毎日の昼食では、ニュースや旅行の話題を「木戸に立てかけし衣食住」のフレームワークから選び、会話を豊かにすることができます。
しかし、一流の雑談術者は、例えば上司とエレベーターで一緒になった時に、仕事の忙しさや日常生活のことを軽く話題にすることで、気まずい空気を避け、心地よい雰囲気を作り出します。
信頼を築くための聞き方
話を聞く際のスキルレベルは、信頼関係の構築にも影響を及ぼします。
- 三流の聞き方:
話をきちんと聞かず、重要な情報を見逃す。 - 二流の聞き方:
話を耳で聞くが、深い理解や共感には至らない。 - 一流の聞き方:
話を映像化して聞く。- これにより、話の内容をより深く理解し、共感を生むことができます。
たとえば、スポーツの話題を取り上げた際、ワールドカップの劇的なシーンについて話すとします。
一流の聞き手は、その瞬間を心の中で映像化し、情熱的に話す人の感情に共感します。
これにより、話は自然に拡がり、聞き手と話し手の間に信頼関係が生まれます。
話を映像化することは、聞き手が積極的に話に参加し、話し手の経験や感情を共有する方法です。
この技術を身につけることで、より深い人間関係を築き、コミュニケーションを豊かにすることができます。
会話の終わり方
会話を終える方法は、雑談相手にまた話したいと思わせる重要なスキルです。
- 三流の終わり方:
会話を「サヨナラ」という一般的な言葉で終えます。- これは、特に印象に残らない終わり方です。
- 二流の終わり方:
次の約束や続きの話題を提案することで、会話を終えます。- これは相手に次の機会を期待させる効果があります。
- 一流の終わり方:相手の頭の中に「空白」を作り出すことで、会話を終えます。
- 例えば、レジでのお会計の際に「ありがとうございました」と言う事に加えてに、「来月は過去に一番売れた”あの”ハンバーガーが販売されます」と伝えることで、相手に次回の訪問への興味を惹きます。
この「空白」の技術は、人間の脳が未完成の情報を埋めたがる心理を利用しています。
相手に次の訪問や続きの話題について考えさせることで、リピートや継続的な関係を築くことができます。
これらのステップの更に詳細を学びたい方は以下より本を読んでみてください。
次のセクションでは、ビジネスシーンでのケーススタディを二つだけピックアップしてお届けします。
ビジネスシーンでの雑談の応用:立ち振る舞い二つの事例
ビジネスシーンでのコミュニケーションスキルは、特に雑談の場面でその差が顕著に表れます。
以下の二つのケーススタディでは、具体的なビジネスシーンでの雑談の応用方法を紹介します。
苦手な上司との接し方
- 三流の対応:
上司に近寄らず、距離を保つ。 - 二流の対応:
上司に近寄り、仕事関連の話題で会話を試みる。 - 一流の対応:
仕事だけでなく、プライベートな情報も共有し、お互いの「腹を見せ合う」。- たとえば、上司との雑談の中で「最近、ゴルフを始めたんですよ」と自分の趣味をさりげなく共有し、上司からの個人的な話題にも耳を傾ける。
腹を見せ合うことで、お互いにより深い理解と信頼を築くことができます。
相手に自分の情報を開示することで、安心感を与え、よりオープンなコミュニケーションが可能になります。
飲み会での立ち回り
- 三流の対応:
受け身の態度で会話に参加。 - 二流の対応:
必死で場を盛り上げようとする。 - 一流の対応:
場の空気に応じて役割を変える。- 聞き役、盛り上げ役、進行役など、場のニーズに合わせて適切な役割を果たす。
例えば、飲み会での雰囲気が少し静かになったとき、一流は「最近、面白い映画を見ましたか?」などと話題を提供し、会話を自然にリードします。
場の空気を読み、必要な役割を果たすことで、全体のコミュニケーションをスムーズに進めることができます。
『雑談の一流二流三流』-私が実感する効果
ここでは、私が雑談力を鍛えて感じた、さまざまなシチュエーションでの雑談の効果を纏めてみましょう。
「雑談」は、単なる日常の会話以上のものだったことを痛感しました。
家族友人関係
雑談力を鍛えることで、マンネリを解消し、関係をリフレッシュすることができました。
私としては、頻繁に顔を合わせる家族や友人との関係は、意外とマンネリ化しやすいものだったのです。
積極的に、パートーナー、友人の話を傾聴する様に努めるだけでも、圧倒的に暖かい空気感を作り出すことが出来ました。
仕事に疲れている時でも妻の話を聞くように努力したことで、喧嘩は減りましたし、妻が怒る回数が減ったのを実感しています。
日々の細かいコミュニケーションは、特別な日のプレゼントよりも重要なのです。
営業現場、面接でのアイスブレイク
営業や転職活動の面接において、雑談は顧客や面接官との関係構築に不可欠なアイスブレイクとして機能しました。
以前は、老若男女問わず初対面の人との話題に困ることが多かったです。
しかし、「雑談の一流二流三流」という著書を読んでから、効果的な話題提供のフレームワークを学びました。
例えば、「最近、お仕事忙しいですか?」や「体調崩されていないですか?」といったシンプルな質問から会話を始めることで、自然にアイスブレイクが可能になりました。
この新しいアプローチにより、商談や面接の場面での緊張をほぐし、本来の能力を発揮することができるようになりました。
結果として、やりたかったマーケティングの仕事に30代未経験で転職することが出来ました。
社内コミュニケーションの強化
雑談は、職場での信頼関係の構築に大きく貢献しました。
私自身、転職後の初期3か月間は、積極的に社内営業に徹し、同僚との雑談を通じて関係を築きました。
その結果、セミナー案内の誤送信というトラブルが発生した際も、事前に築いていた良好な人間関係のおかげで、同僚たちは理解を示し、事態はスムーズに解決しました。
この経験から、雑談がいかに協力の依頼やトラブル時の対応を助けるかを実感しました。
良好な人間関係は、日々の業務をより効率的かつ快適に進める基盤となります。
雑談を通じて構築される信頼感は、職場内でのコミュニケーションを円滑にし、チームワークを強化します。
接客現場
接客現場での雑談は、お客様に「また来たい」と思わせ、リピーターを生み出す重要な要素です。
例えば、私の会社近くの古い個人牛丼屋の名物おじいさんは、挨拶時の「二言プラス」が卓越しています。
「いらっしゃい、お兄さん、今日はいつものでいい?」という彼の挨拶は、リズムが良く、明るく、注文を受けるだけでなく、心を通わせます。
彼は手が空いた時には「ツレのお兄さん先に行っちゃったの?」などと会話を広げ、お店全体の雰囲気を盛り上げます。
こうした雑談は、お客様に元気を与え、お店の印象を強く印記します。
雑談の力は、単に会話をする以上のもので、接客業においては、顧客との強力な絆を築く手段になります。
リピート客を生むことは、サービス業にとって不可欠ですが、そのためには心を通わせるコミュニケーションが鍵です。
『雑談の一流二流三流』を読むことで、これらの雑談技術を身につけ、あなたのビジネスや日常生活にポジティブな変化をもたらすことができるでしょう。
雑談スキルを向上させるステップ:日常をトレーニングの場に
雑談の技術を磨くには、日々の会話をトレーニングの機会と捉えることが重要です。
多くの人が日常的に雑談を行いますが、これを意識的にスキルアップのために利用する人は少ないでしょう。
以下のステップを日常に取り入れることで、雑談のスキルを効果的に向上させることができます。
1. トレーニングとしての挨拶
挨拶の後に少なくとも二つの関連するフレーズを加えることを心掛けます。
例えば、「こんにちは、今日はいい天気ですね。週末は何か予定がありますか?」というように。
2. 会話トピックの選択
「食べる、動く、働く、お金、寝る」といった普遍的なトピックから会話を始めます。
これらの話題はほとんどの人が関連付けやすく、自然な会話の流れを生み出します。
3. 接続詞を使った会話の拡張
接続詞「ちなみに」「ということは」「そうすると」を活用して、会話を広げます。
例えば、「そうすると、週末はよく外出されるんですね?」といった形で。
4. 傾聴と映像化
話を聞く際に、相手の言葉を心の中で映像化し、共感を示すようにします。
これにより、信頼関係が築かれます。
5. 印象的な終わり方
会話の終わりに相手の頭に「空白」を残すように心掛けます。
たとえば、「次に会う時は、新しい話ができるかもしれませんね」といった形で。
日々の会話をこれらのステップでトレーニングすることで、雑談スキルは確実に向上します。
このような意識的な練習を通じて、コミュニケーション能力を高め、人間関係をより豊かにすることができるでしょう。
私は雑談力をベースに軸ずらし転職を達成して、収入を上げてきました。